こんにちは。最北の海鮮市場です。北海道民なら絶対に知っているといっても過言ではない春の山菜「行者にんにく」。皆さんはご存知ですか。本日は、北海道の春を代表する山菜「行者にんにく」についてご紹介いたします。
「行者にんにく」とは
独特の香りがするのが特徴で「にら」と「にんにく」と「ねぎ」をあわせたような山菜。涼しい気候でしか育たないため、北海道が主な産地なのですが、北海道民なら春がくると、この季節だと行者にんにくを食べるという人が多いんです。北海道民にとっては非常に身近な山菜ですが、年々大変収穫量が減っている希少な山菜でもあります。
育つには5年以上かかります
行者にんにくは、育つスピードが非常に遅いため、大きく育つには5年以上かかります。そのため、栽培する農家さんも収穫までに時間がかかるため、皆さん断念されてどんどん少なくなってきております。また天然ものについては、自生する場所が限られるということに加えて、育つのに5年以上かかるため、心無い誰かが山菜を根こそぎ収穫してしまうと、次の収穫までに5年間収穫ができないというような山菜なんです。
収穫時期がほんのわずか。一年に数日のみの収穫
そして、この行者にんにく難しいのが収穫時期。雪で覆われた道路がとけたと思ったら、いきなり芽を出し、あっという間に10日前後ほどで食べごろの大きさになり、それ以降は行者にんにくのお花が咲いてしまうと茎が硬くなって美味しくないんです。そのため、一番美味しくて、ちょうど良く育つ行者にんにくを取るためには最大でも1週間程度しかないんです。そのため、当店の行者にんにくは、4月の下旬より、何度も山に入り行者にんにくの生育状況を見にいきます。そして、まだ生育が早いなどの場合は、何も収穫せずに戻ってくるのです。収穫時期が1週間程度しかないため、これを逃すと全部、花が咲いてしまって硬い行者にんにくになってしまうんです。
saihokの天然行者にんにくとは
行者にんにくを一度でも収穫したことがある方なら想像する行者にんにくというのはコチラだと思います。私も、当店の行者にんにくに出会う前まではこの形が一番美味しいものだと信じておりました。ところが当店の行者にんにくはコチラ。大きい!と私も最初見たときは目を疑いました。それと同時に、大量に収穫するためにわざと大きく育ちすぎた行者にんにくを取っているんではないかと疑いの心さえ持っておりました。
しかし、実際にまずは香りが非常に強い。天然物の中でも、乱獲され続けている山菜は香りが少なくなったり、小さいものが多いんです。しかしこの行者にんにくは大きいのに、非常に香りが強く、さらに柔らかい。私は山菜取りが趣味なので、行者にんにくは知っているつもりだったのですが、こんな大きいのにみずみずしく柔らかい行者にんにくは生まれて初めてお目にかかりました。
担当の方に聞いてみると、場所は絶対に教えられないとのことでしたが、山奥の中でもかなり標高が高いところに、広大な湿地帯になっている部分があるらしく、そこで取れる行者にんにくは、非常に涼しい気候が続き豊富な水があるため、ゆっくりと生育し、みずみずしく育つそうなんです。そして、職人さんが毎年、毎年、安定して収穫ができるように一定の量を決めて収穫をし乱獲せずに、大切に収穫をしているんです。そんな希少な行者にんにくなので、私も自分で採りに行くのと比べても全然ものが違うので、悔しい限りです(笑)
たちはだかる「雪」
2018年4月20日、今年初めての状況確認
ということで、今年初めての第一回目の生育状況の確認に行っていただくと・・・見事な雪。そもそも山にこれ以上入れないという状況でした。周りを見渡しても雪だらけでその日はやむ終えず帰ってきたとのことです。残念ですね。とお話すると、毎年恒例ですと言っておりました(笑)
2018年4月27日、今年2回目の状況確認
そして続いて1週間後。第二回目の生育状況の確認に行っていただくと・・・雪はだいぶ溶けており、そろそろもう少し奥まで入っていけそうとのこと。
2018年5月1日、今年3回目の状況確認
だいぶ雪も溶けて、道路が顔をだしております。また、山から降りてきたふもとの道路わきには、もう行者にんにくが出てました。今年の行者にんにくは、昨年、雪が多くてなかなか出てきていないようです。また、今年はゴールデンウィークも寒くて雨が続いていたりと日照時間も少ないため、例年より遅れている様子です。購入いただいた方にはお待たせしており大変申し訳ありません。ですが、そろそろ今年の収穫ができそうとのこと。5月の第二週か、第三週ころに収穫ができそうでとのことです。行者にんにくは500gでもボリュームがありますので、お届けするまでの間、どうやってお料理するかなど検討しておいてくださいませ♪
おススメの食べ方
私のおススメはたくさんあるんですが、なんと言ってもコレが一番好きかもしれません。
行者にんにくの天ぷら
行者にんにくの風味があってサクサクの天ぷらは、生の行者にんにくがとれる時だけのお楽しみです。ぜひご賞味くださいませ。
北海道ならでは「ジンギスカン」
行者にんにくと言って、北海道民が思い浮かべるのがコチラです。北海道民は、行者にんにくの季節になるとジンギスカンと一緒に食べるんです。私も毎年食べます!ジンギスカンのたれがしみた行者にんにくはなんともいえないおいしさです!
行者にんにくのしょうゆ漬け
これは、テッパンですね!それぞれの家庭の味がありますが、私は昆布の味が強めのめんつゆが好きです。あとは、家庭によって生の行者にんにくのままお醤油に漬け込む方や、少し茹でてからお醤油に漬け込む方がいます。私のお勧めは沸騰したお湯を生の行者にんにくにかけるだけ。その後、水で荒熱をとってそのままめんつゆに漬け込みます。生の行者にんにくの風味が感じられて、食感もよく仕上がりますよ~。これを白いごはんにのせたら、もうたまりませんね。
行者にんにくの卵とじ
これもまたおいしいんです。おだしを入れた卵に行者にんにくをお好みに大きさに切っていれた卵とじ。
少し半熟気味でとじると、卵がふわふわで行者にんにくも少し食感が残ってオススメです。さて、いかがでしたでしょうか。それでは春の山菜、行者にんにくのお届けまですこしだけお時間いただきますので、お料理の参考にしてみてくださいね。