かつて日本の高度成長を裏から支えた「製鉄」。
製鉄所があった都市は鉄と共に栄え、発展してきました。
今回ご紹介する室蘭もそんな「鉄のまち」として栄えてきた歴史があります。日本の製鉄がピークを過ぎた今、街はどう変化しているのでしょうか。
そんなところにも注目しながら今回は旅をしてみようと思います。
室蘭の歴史と特徴を知る
室蘭は、北海道の南部にある大きな内浦湾の端に位置しています。
その地形を生かして、古くから港が栄え、鉄鋼業を中心に造船や石炭の積み出しや石油精製などを主体としてきました。北海道の代表的な工業地域として発展したまさに工業都市と言えます。
室蘭、と言う名前は北海道では一般的な「アイヌ語」が起源なんです。「小さな下り路」という「モ・ルエラニ」が明治時代の「モルラン」を経て今に至っているそうですよ。
室蘭は工業都市としての色が濃いため意外と知られていないことですが、実は自然も豊富なんです。市内にある測量山は渡り鳥の中継地点として有名で、200種類以上の野鳥が観測されているそうです。また、イルカやクジラが近くを回遊していたり、海の景勝地も多いのが特徴です。
かつては鉄の発展で人口も多かったのですが、1970年代からは現象が続き現在では最盛期の2/3以下の人口になってしまっているそうです。
室蘭の市街地から水族館・白鳥大橋方面へ
JRの室蘭駅はその地形から突き当たり形式の終着駅です。
決して本数等は多くはありませんが、駅舎は新築された新しいもの。そこを中心に市街地が形成されています。駅から少し離れた所に商店街があって、市内を行くバスもそこから乗ることができます。
商店街は地方都市によく見られるちょっと懐かしい感じがする雰囲気。
昔はこんなところたくさんあったなあ、と思われる方もたくさんいると思います。残念ながら人口の減少と共に商店街も閉店してしまったお店もたくさんあり、ちょっと寂しい雰囲気があるのも致し方ない部分かもしれません。
では、ここからバスに乗って水族館方面を目指しましょう。
市立室蘭水族館。
ちょっとした遊園施設も併設されているココは、意外にも北海道発の水族館なんです。開設は昭和28年という歴史をもち、小さいながらも味わい深い水族館となっています。
魚の展示はもちろんペンギンやアザラシもいて、なかなか楽しめちゃいます。
なかでも印象的だったのはミズクラゲの回遊。
幻想的なライトアップとともにゆっくりと水の中を動いている姿を見つめているとなんだか心が癒やされるようでした。
ペンギンもアザラシも数は多くありませんが、餌付けの様子などを間近で見られることが特徴。お休みの日には多くの方で賑わう穴場スポットなんです。
入場料は大人300円！中学生までと70歳以上はなんと無料！
ほっこりすること間違いなしですのでぜひとも立ち寄って下さいね。
白鳥大橋周辺
水族館の周辺は、みどころたくさんです。
かつて大変な賑わいを見せた製鉄所、造船所もこのあたりに建ち並んでいて、大きなクレーンが作業している様子を垣間見ることもできます。また、近くにある旧・絵鞆（えとも）小学校（平成27年３月31日に閉校）も特徴と雰囲気がある場所です。
全国でも珍しい円形の校舎。建物の2階部分にある体育館。いろいろなドラマのロケでも利用されてその122年という長い歴史を感じさせてくれます。
ここ絵鞆小学校の周りは静かな住宅街。
近くにある製鉄所に勤める方々の住まいとして発展してきた場所です。
そして、白鳥大橋。
一番上にも写真を載せていますが、この周辺からの眺めは素晴らしいものがあります。
白鳥大橋は、ぴょこんと飛び出た室蘭市の交通には欠かせないのです。本来なら、ぐるっと大回りしなくてはならなかった市内ですが、この白鳥大橋のおかげでとても便利になったそうです。大規模な吊り橋形式になっていて、周辺にはこの白鳥大橋のビューポイントが点在しています。
ぜひ見つけてみて下さいね。
夕焼けと夜景
室蘭は工業都市としての夜景の美しさと、特徴的な地理を生かした夕焼けの美しさが特徴です。
まずは夕焼けスポットとして、チキウ岬（地球岬）があげられます。
室蘭市の一番南端に位置していて、ぐるっと見渡す限りの水平線を見ることができます。
駐車場も完備されているので、市街地からちょっと離れてはいますが比較的交通のアクセスは良いところです。
そして、祝津公園。
ここは話題の工場夜景や白鳥大橋を一望できるビュースポットです。高台に位置しているので眺望もバツグン。
この2つは室蘭観光で外すことはできませんよ！
実はまだまだオススメしたいポイントがたくさんある室蘭なのですが、今回はここまで。
また改めてちがうスポットに焦点をあててお伝えして行きたいと思います。
どうしても北海道旅行を計画する際に候補から外れてしまう室蘭。
でも今でも鉄の街、工業の街としてがんばっている気がしました。
歩いてみるとでも不思議とうるさい感じはせずに、とても静かな街。見どころはたくさんあって散歩で飽きることはありませんでした。むしろまた来てみたいと思わせるちょっとくせになる街でもありました。
また、皆さんにお伝えしていきますね。
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