函館は古くから港町として栄え、多くの諸外国の影響を受けた街並みが美しい街です。
北海道でも有数の観光地として知られ、年間多くの方々が函館を訪れます。函館には、山・海・温泉・街並み・夜景・海産物など、多くの観光資源に恵まれており、何を目的にするかで全く異なった旅をすることができるとてもステキな街です。有名なスポットも数多く点在しますし、料理や温泉も捨てがたいものがあります。
いろいろな楽しみ方がある函館ですが、ぐるっとのんびり市電めぐりはいかがですか?
ツアーなどでは発見できない意外な部分が見えてくるはずです。冬の期間でも比較的函館は積雪が少なく、歩いて巡るにも苦にならないことが多いのです。
今日は、ぶらっと市電で函館めぐりを紹介します。
函館の市電
函館の市電は、函館市の企業局交通部という地方公営企業が管轄しており、路面電車に関しては札幌の市電と共に「北海道遺産」の1つに選ばれています。古くから市民の足として発展し、路線も東西南北へと発展しましたが、車やバスの発展や市街地の拡散や空洞化が進んだことにより、ピーク時の1/3にまで減少してしまいました。それでも、湯の川温泉から函館どつく前、谷地頭温泉へと伸びる路線長は10km以上に及び、その距離は札幌市電を上回ります。
函館の市電は、様々な形態の電車が走ることでも有名で、最新型の低床車両から昭和製の古い電車までまだまだ現役で走っています。色とりどりに塗り分けられた車両は、見ていて飽きないと言えるでしょう。
さて、今回市電を利用して市内をまわるのですが、ちょうどよい切符があります。
それは「市電1日乗車券」です。その名の通り、1日中、市電が乗り放題です。切符は市電の車内で購入することもでき、提示式の形をとっています。つまり、見せるだけで簡単・スムーズに乗降できるのです。また,路線図や観光エリアマップも一緒になっているので、これだけあれば様々な場所や行きたい場所、情報がわかってしまいます。
そのお値段600円!安い!1日乗り倒してこのお値段、スグに元が取れてしまいます。また、他にもバスも利用できる切符や、2日間有効なものなども用意されているので、用途によって使い分けるとグッとおトクになるはずです。車内で購入すると、運転手さんが日付をポンとはんこで押してくれます。アナログでイイ感じ!
さあ、切符を買ったら早速函館の街に繰り出しましょう。
五稜郭公園を目指す
函館観光で外せないスポットの1つ。
市電の五稜郭公園前を降りて約15分程度。のんびり街並みを見ながら歩いていると、ひときわそびえ立つタワーが見えてきます。
2006年にオープンしたこの五稜郭タワーは高さ107m。
展望台からは、独特の形をした五稜郭を一望できるのはもちろん、函館山や津軽海峡まで見渡すことができます。高いところが苦手な方はちょっとすくんでしまうほどのその高さ。でもとっても気持ちがいいんですよ。
もちろん、タワーだけでなく周辺の五稜郭公園は四季折々の様子を楽しむことができます。春には1500本を超える桜が満開になり、北海道でも有数の桜の名所として有名です。夏にはライトアップや秋には紅葉の美しい姿、そして冬は雪化粧でしっとりとした公園内風景を楽しめます。いつ来ても、のんびりできるそんな場所が五稜郭公園なんです。
元町付近を散策
五稜郭公園の駅から、函館の駅を経由してさらに進むと十字街という電停があります。
そこから函館山の麓に広がる元町地域は、異国情緒あふれるとても函館らしい景観を楽しむことができます。ここはぜひとも車ではなく歩いてまわっていただきたいところです。
行っていただきたい所はたくさんありますが、やはりその雰囲気を味わっていただきたいなと思います。坂道から見た港の様子、外灯、そして街並み。昭和の日本と、そして明治・大正の異国情緒がいっぺんに楽しめる貴重な場所です。ぶらぶらと歩いているだけで、いろいろなものを発見できるはずです。
函館は坂の街でもあります。坂の上から港を望むと船が行き交い市電が走り去ります。
外灯だってこの通り。
なんとも言えない色と雰囲気を出してくれていると思いませんか?
民家の軒先に柿が干してありました。
干し柿って、とても美味しいですよね。冬の冷たい風を浴びて干された柿はどんな味がするのでしょうか。こういった発見は歩きでないとできません。市電を使って歩くのはとっても正解だなと思いました。
歴史ある函館ハリストス正教会。
その鐘の音は「日本の音風景100選」に選ばれ、大正5年に建てられた現在の建物は大がかりな修復が施されているとはいえ当時の建築様式を忠実に伝えています。その姿はまさに威厳を感じる程。晴れた青空よりも、この写真のように暗く重く沈んだ冬の曇り空が絵になると思うのは私だけでしょうか。
函館の朝市
最後はやはり函館の朝市を紹介しておきましょう。
その広さは東京ドームの70%ほど。歩いてまわると意外に広くて大変です。その名の通り朝(午前中)しかやっていない商店がほとんどですので、宿泊施設をチェックアウトしたらまず最初に向かうのが良いかもしれませんね。
朝市は、たくさんの商店が集まって形成されています。
歩いてみると、至るところに昭和の面影を感じるところがたくさんあり、そういった環境で育ってなくても思わず「懐かしい!」と言ってしまいそうです。お店は海産物を中心に、農作物や食堂、乾物屋さん、お土産屋さん、とバラエティに富んでいます。あちこちで威勢の良いかけ声が聞こえ、土日にはたくさんの人手と共に活気にあふれています。
ものによってはとんでもなく安い!のがこの朝市。
なになに?ジャガイモ1ケース500円!これは掘り出し物が見つかりそうですね!
今回はざっと駆け足で紹介してしまいましたが、本当はもっともっとたくさん紹介したいところがあったりします。今後も函館の様子や普段は見られないような場所の紹介をしていきたいなと思っていますので期待していてくださいね。
函館はとても1日でまわりきれるところではありません。
だからこそ、何にスポットを当てるかによって旅が大きく変化します。四季折々の楽しみ方ができるのも函館の特徴です。「北海道へ行こう!」のページで、そういったスポットの参考になるよう、いろいろな記事を用意していきたいと思います。
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