北海道はすっかり涼しくなり、秋を感じるようになってきました。
「秋」は、いろいろなことをするにはいい季節です。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋。
秋の夜長、なんて言葉もありますね。そんな季節、やはり旅行するのにもぴったりなんです。思いっきり現実逃避する旅行もよし、ゆっくりした時間を大切にする旅行もよし。じっくり向き合う時間だってたっぷりあります。
さあ、カメラ1つもって出かけようではありませんか。
今回ご紹介のコース
今回の各駅停車の旅のコースは、道央をぐるりと1周するというモノ。
地図上だとこの辺になります。
朝早くに札幌を出かけて、小樽→ニセコ→長万部→洞爺→室蘭→苫小牧→札幌と廻ってきます。
これだけの距離を各駅停車で行くのですからそれなりに時間はかかります。でも、今回の趣旨は急ぐ旅ではありません。時間を「楽しむ」旅。のんびりでいいのです。
気になる交通費ですが、JRで道央一日散歩きっぷというのが販売されています。
4月2日~11月6日の土曜・休日に使用できますが、そのお値段なんと2,260円。とっても安い!のです。途中の長万部に着かないうちにとっくに元が取れてしまいますので、上手く使えば最強きっぷなのです。
でも、北海道のローカル線なので、列車の本数はびっくりするほど少ないです。綿密に計画を立てないと、その日に帰って来られなくなってしまったり、特急を使うハメになってしまうので、気を付けてくださいね。
今回紹介するコースはバッチリなのでご安心を。
まずは長万部(おしゃまんべ)を目指して
前半戦の大きなハイライトは、長万部でのお弁当。まずはそれを目指しましょう。
札幌から小樽まではごくごく普通の通勤電車。この辺りは札幌への通勤にも便利なので、電車もたくさん走っていますが、20分も走ると一気に景色が変わります。このあたりも札幌ならではと言ったところ。銭函(ぜにばこ)という駅から先は、素晴らしい海岸線沿いを走ります。
終点の小樽から、いよいよ本格的なローカル線となります。
運行本数もぐっと少なくなるんです。その数1時間に1本。
乗り遅れると、今日1日の計画がそこで終わってしまうくらいのダメージです。
以前は、長万部まで3時間あまりかかる各駅停車が走っていましたが、今はいくつか各駅停車を乗り継いで進みます。小樽発8時7分の倶知安(くっちゃん)行きに乗り込み、目的の長万部には14時19分に到着予定。これだけでずいぶんと時間がかかります。でも、すっごく長く感じるのかと思ったら、全くそんなことはありません。
景色の移り変わり、のどかな風景、のんびりとした時間。都会や普段では味わうことができない感覚が、時間の感覚を狂わせてくれます。小樽からちょっと走れば、まっすぐ伸びる線路と何もない(電線すらない)風景が素晴らしいです。
駅もイイ感じなのですね。
そのほとんどが無人駅。ぽつんと、ひっそりと駅は列車の到着を待っています。乗降する人たちも主要駅以外はほとんどいません。北海道の地方の人たちにとっては車が必需品であり、JRはその場をどんどんと追われているような気がします。
長万部に到着
やっと、長万部に到着です。時間がたっぷりあるので、いろいろなもの思いにふけることもできました笑
途中の倶知安やニセコでののどかな風景や、雄大な羊蹄山やニセコアンヌプリを眺め、車窓からの風景の移り変わりを久しぶりに楽しんだ感じがします。そして、その風景を見ながらいろんなことを考えることができます。ローカル線のひとり旅は、ここがいいところですね。
長万部に到着したら、ちょっと遅いお昼をいただきましょう。お腹も空いてきました。では、さっそくお弁当を買いに行きましょう。長万部の名物は「カニ」。そのカニをふんだんに使ったお弁当が駅の近くで売られているのです。
駅の改札を出て、駅前の信号を渡って左折、すぐのところに「かなや」さんの工場直売店があります。このかなやのかにめしは定番。札幌から函館へ行く特急のなかでも予約販売しているくらいです。
近くの海ではもともとカニがたくさん水揚げされていました。たくさんあるカニを茹でて駅で販売したらどうか?というアイデアから発展したこのお弁当、お値段1,000円(税別)。ここのお店で購入すれば、あたたかい状態で購入することができますよ。地方発送もしていらっしゃるそうです。
さて、お弁当を購入したらちょっと歩いて海岸線まで行ってみましょう。海で食べるお弁当はまた格別ですよ。
かにめしさいこう。
海さいこう。
景色さいこう。
気分さいこう。
海を眺めて、並みの音を聞いて、お弁当を食べていると日頃のストレスや疲れなんて吹き飛んじゃいますね。
初秋の秋はとってもさわやかです。風も心地いい!
海岸線はずっと砂浜が続きます。
海水浴場ではないので、海の家もありませんし人もほとんどいません。
邪魔されることなくのんびりできると思います。
次の目的地を目指して
長万部駅から次の目的地の東室蘭方面へ向かう各駅停車は15時26分発。
駅に着くと、1両だけの汽車が待っていました。
ガラガラとエンジン音を響かせて、発車を待っています。
長万部は、函館方面・東室蘭方面、小樽方面と乗り換えができるターミナル駅。
でもどことなく寂しげな感じがします。
ここから次の乗換駅である東室蘭へは、約1時間30分の行程。噴火湾(内浦湾)沿いにぐるっと走ります。
途中、鉄道ファンには超有名な秘境駅の「小幌(こぼろ)」や、洞爺湖の近くの有珠山や昭和新山などの火山群、海にほど近い「北舟岡(きたふなおか)」の駅など見所はたくさん。車窓から流れる風景もまた楽しいのです。
車内はクーラーなしの車両が多いのですが、気になりません。夏でも窓全開で走れば、自然の風がまた心地よいのです。この感覚、都会ではなかなか味わえないなあ、と思いました。
今回はここまでです。
もうすでにのんびりしていますが、次回は室蘭で水族館を訪れ、街をぶらぶらしてから夕食、札幌に帰るまでをお伝えします。
お楽しみに。
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