北海道の長く厳しかった冬が終わり、各地で春の訪れを感じるようになりました。
「北海道へ行こう!」でよくお伝えしている美瑛周辺も畑には雪が無くなり、作業を始める農家さんがふえてきました。これから秋にかけて、一気にたくさんの季節が動き出します。だって、北海道は冬が半年続きます。残りの半年で、春と夏と秋をやらなくてはならないから大忙し。
今回は、久しぶりに青い池周辺にやって来ました。
青い池周辺の様子
青い池は、上川郡美瑛町白金という場所にあります。
美瑛の市街地から、約17㎞ほど。車で30分弱の場所にあります。市街地からは、ほぼ一本道なので迷うことはあまりないかもしれません。青い池に向かうまでの道のりは、様々な車窓を楽しむことができます。この季節なら、農作業を始めた畑や切り出された木々、白樺林やペンションが建ち並ぶ場所など、ちょっと寄り道をしてしまいたい所がたくさんあります。
雪が深いこの美瑛周辺も、雪がなくなって農作業はとっても忙しくなってきました。
種を植える前の畑を整える作業や、耕す作業、そして早くも苗を植え始めたりビニールハウスで栽培を行っていたり、と様々です。周辺は米や甜菜、ジャガイモ、小麦といった作物が植えられるんです。
育っていくその姿を観察するのも楽しいものです。
美瑛の市街地から、畑を抜けて行くと次に表れるのは白樺林です。
道道966号線をずっと抜けて、正面に美瑛岳が見えるようになってくると、そんな光景になってくるんです。この道をまっすぐ行くと、十勝岳への山登りの拠点となる「十勝岳望岳台」を経て、十勝岳温泉へと続きます。この時期はまだ雪が残っていて気軽に訪れることはできませんが、夏の最盛期には多くの人で賑わいます。
白樺の原生林といっても良いくらいのこの周辺は、十勝岳の噴火とともに歩んで来た歴史があります。この20年ほどは、激しい噴火活動は行っていませんが、1960年代や80年代には大きな噴火を繰り返していました。もともと青い池も、噴火した十勝岳の堆積物による火山泥流災害を防ぐために、小さなダム(堰堤)を作った所に水が貯まったもの。切っても切れない関係がそこにあるのです。
この付近の白樺林は、遊歩道も設けられています。まだ雪が残っていて散策することはできませんが、夏期に訪れるととてもさわやかな気候と共に気持ちよく歩くことができるんです。近くに駐車場もありますので、ぶらっと歩いてみても良いかもしれませんね。近くには白金温泉もあってのんびりできますよ。
表情が日々変わる青い池
さて、車でしばらく走って青い池に到着しました。
近くを流れる美瑛川の水質や、天気、気温などによって済んだ青い色の時もあれば、ちょっと緑色っぽい時もあったり、濁っている時もあったりと様々です。何回も来ていると、その表情がたくさんあって楽しいんです。
今日は、天気のせい(雨が降ったり止んだり)もあって少し濁って深い青色をしていました。でも、残念に思ってはいけません。青い池はどんな時でもその時々の美しさを見せてくれます。
水面に映り込んだ立木と、雨でできた波紋と、深い青がなんとも言えませんでした。
ここで帰るのはもったいない!もうちょっと上流へ
青い池を見たら、美瑛川をもうちょっと上流まで行ってみてください。そこには、この青い池の「青さ」の元となっている「しらひげの滝」があるんです。
滝と川の水が混じり合った部分が青くなっているのがわかると思います。ここが、自然の神秘ですね。
Web上の資料によると、
この付近の湧水には水酸化アルミニウムなど、主に白色系の微粒子が含まれており、美瑛川本流の水と混ざることによって分散され一種のコロイドが生成される。水中に差し込んだ太陽光がコロイドの粒子と衝突散乱して水の吸収による青色の透過光が加わり、美しい青色に見える。
と記載されています。偶然とは言え、全国でもなかなかない貴重な現象。ここは一見の価値があると思いますよ。
帰り道に「あの子」と遭遇!
さて帰ろう、と車に向かって歩いていたら突然「あの子」が表れました。
おそらく、観光客が与えるエサ目当てなのかもしれません。
でも、与えてはいけませんよ。きっとキタキツネにとっても私たちにとっても良いことはないと思います。とはいえ、こんな近くでキタキツネを見ることができるなんて、大自然が間近にあるこの付近ならではなのかもしれませんね。
思わぬ遭遇をしてしまったりしていたら、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
帰り道、とてもステキな夕焼けを見ることもできましたよ。
畑、そして草原、そして白樺。
このあたりは土地の表情が豊かです。そして、いろいろな農家さんが一生懸命育てた農地がたくさんあります。撮影の際には、農地に入らないように気を付けていただくようお願いしますね!
青い池は、約20年ほど前にその存在が見つかり、口コミなどで徐々に広まってきました。近年では、冬期にライトアップがされるなど積極的にその魅力を発信しつつあります。美瑛町が積極的に投資をして整備していることもあります。数年前、私が初めてこの場を訪れた時は、今のように駐車場も道も今のように整備されておらず、「秘密の場所」といった雰囲気がありました。
今では、休日ともなれば大型の観光バスが乗り付ける場所。
だからこそ、きちんとマナーを持ってこの場所に訪れたいものです。
いつまでも美しい青い池を見せてくれるために。
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