北海道へ行こう!

北海道へ行こう!

昭和からの歴史を感じる北海道の鉄道をめぐる

このブログ「北海道へ行こう!」では、たびたび鉄道の話をさせてもらっています。記者が「鉄道好き」ということもあるんですが、北海道の現実や文化などを知ってもらうにはぴったりでもあるからなんです。東京や大阪圏ではやはりピンとこないですよね、利用している駅がなくなってしまう、という現実。

北海道では2016年の春、合計8駅が廃止となりました。
その他にも、廃止を控えている路線や駅があります。

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今回は、そんな北海道の鉄道の厳しい現実などを、撮りためてあった編集部秘蔵写真とともにお送りします。美しい風景やおいしい食べ物も魅力的ですが、こんな部分も実は北海道なんです。

北海道新幹線開業の裏で、ひっそりとなくなっていった駅たち。
観光スポットとは少し趣旨が異なりますが、お伝えしますね。

北海道の鉄道の現実

ブログでもなんどもお伝えしていますが、札幌圏を除くほぼほとんどの地域は完全な車文化が進んでいます。北海道第二の都市である旭川であってもそれは同じで、JRは1時間に数本……というのが現実なんです。こういったことから、

車で移動する機会が増える→利用者が少なくなる→採算が合わないので本数減る→待っても来ないJRなんて誰も利用しなくなる→さらに採算合わなくなる→廃止

というスパイラルが発生してしまいます。

採算が合わないために、北海道のほとんどの区間は電化されていない、単線、そして無人駅、というのもそれを物語っているのかと思います。

廃止駅 その1 上白滝(かみしらたき)駅

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遠軽(えんがる)町にあった石北本線の駅です。

実は北海道で一番古い木造の駅舎だったんです。写真を見ても趣が感じられますね。DSC06771
そんな木造駅舎の中に入ってみましょう。時刻表があったので見てみると……

??

なんと、上下各1本のみ。朝の7時台に遠軽方面に行ったら、次は17時台に旭川方面に戻ってそれでおしまい。今まで北海道のローカル線の駅を数多く見て来ましたが、これは最高(最低?)記録でした。この石北(せきほく)本線は、旭川から遠軽を経由して北見、網走と抜けて行く路線なのですが、札幌→網走間の特急のためにあるようなもの。各駅停車はほとんど走っていないんですね。

でも、さすがにこの本数はちょっと驚きました。

 

取材中、そんな貴重な1本に出会うことができましたよ。
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利用客が多い?と思ったのですが、それは廃止になる直前のことだったので「駆け込み需要」だったと思われます。いかにもローカル線と行った面持ちで、どこか寂しげな1本でした。

廃止駅 その2 旧白滝(きゅうしらたき)駅

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同じく石北本線の駅です。

国道333号線沿いにあって、廃止駅のイメージである秘境っぽい感じは全くしませんが、民家などはほとんどなく利用もないのかな、と感じてしまいます。

DSC06735近くのちょっとした集落からも冬になるとこのような道をずっと歩かなくてはいけないので、大変なことです。皆さんだったら、利用するでしょうか……?

雰囲気はあって、訪れるぶんにはよいのですが、ここで真冬に列車を待ちたくないな、と思ってしまいました。

廃止駅 その3 下白滝(しもしらたき)駅

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同じく石北本線、旧白滝駅の隣です。

廃止直前の時には、普通列車も一部が通過するという状態。常に利用している乗降客はいたのだろうか?という感じでした。民家もほとんどなく、駅がポツンとあるだけ、という感じです。

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駅自体は広く作られています。というのも、列車のすれ違い用に作られているからなんです。上りと下りが待ち合わせてココで行き交うんですね。駅でなくなった今でも、「信号場」という名前でもちろん機能しています。

このように、「白滝」という名称の駅が一気になくなってしまったので、駅と駅の間隔がとても長くなってしまいました。隣の駅と30㎞以上離れている場所もあるんですよ。

廃止駅 その4 金華(かねはな)駅

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またもや石北本線。これで4つめ。

この辺りは著しい過疎化が進行していて、1990年代にはすでにほとんど廃屋だらけになってしまったそうです。2010年(平成22年)の国勢調査によれば、この付近の人口は5世帯10名とのこと。

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冬は雪深く、駅名表示も埋もれてしまいそうです。

廃止駅 その5 花咲(はなさき)駅

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ぐっと離れて、根室本線です。

ご覧のように、駅舎は昔の貨車を使っている(実はこのタイプの駅、北海道では多いんです)というもの。すぐ近くに花咲港や根室の市街があるとはいえ、かなり閑散としている状態でした。

廃止駅 その6 十三里(とみさと)駅

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石勝(せきしょう)本線にあった駅。北海道夕張市に位置しています。

この駅は国道274号線沿いにあって秘境感はまったくないですが、利用客は「ほぼ」いないのと同然でした。廃止直前の5年間で乗降客は1日平均0.4人、定期は1・2枚しか売れなかったそうです。定期が売れた方のが逆に驚き、という感じもしますが、、、

廃止駅 その7 東追分(ひがしおいわけ)駅

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同じく石勝本線の駅。

駅に行く道がわかりづらい、舗装されていない・・・というちょっと秘境っぽい駅でした。辺りは農村が広がっていて、民家はほとんどありません。

DSC07094廃止を知らせる告知が寂しそうでした。

廃止駅 その8 鷲ノ巣(わしのす)駅

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函館に近い八雲町にあった駅。函館本線です。

今回廃止となった駅の中で1番の秘境駅かもしれません。周りに民家や工場があり、近くに特急も停まる「八雲駅」もあるのですが、なにしろ場所がわかりにくいんです。

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近くの国道5号線からちょっと奥まったところにあるんですが、この先に駅があるなんてとても思えません。しかも未舗装。完全に見過ごして行きすぎてしまいました。木も草も生い茂っていますし、雨が降ればぬかるむし、雪が降ればたどり着くのも困難でしょう。よく駅があったな、、、、というのが素直な感想。

待合室も、入るのに勇気がいるほどの建物でした。

廃止になったこれらの駅は今どうなっているか、というと、駅の看板が外されてはいますがホームなどはそのまま存在しています。取り壊すことはしないでしょう。お金もかかりますしね。そして、「信号場」という列車のすれ違いのために今でもその役割は機能しています。客扱いは廃止になったけど、役目は健在なんですね。

DSC067892016年末には、留萌(るもい)→増毛(ましけ)間の路線も廃止になることが決定しているJR北海道。

北海道という厳しく、そして特異な環境ですので鉄道には難しい条件が揃っています。今から利用者が増える見込みもないので致し方ないですが、路線が消えていくのは寂しいものがあります。なくなってしまう前に、ぜひ訪れてみてくださいね。もちろん、観光として廃止駅を巡るのも楽しいですよ。

★今日ご紹介の場所(ポイントをクリックすると場所が表示されます)

 

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